日本ファジィ学会誌
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遺伝的アルゴリズムによるファジィ信頼性の最適設計問題の一解法(ファジィと遺伝的アルゴリズム)
佐々木 正仁横田 孝雄玄 光男
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1995 年 7 巻 5 号 p. 1062-1072

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抄録
本論文では, 数種類の故障モードを伴うとともにファジィ目標とファジィ制約をもつシステム信頼性最適設計問題を, 遺伝的アルゴリズムを導入することによって解く解法を提案する.この解法は, 数種類の故障モードを考慮することによって, 直列/並列のユニットが複雑に接続されることにより構成される現実のシステム信頼性の設計問題を系統的に解析することができるため, よりきめ細かい現実のシステム信頼性の最適設計問題に対応することが可能となった.また, ファジィ目標およびファジィ制約を導入することによって, システム設計者の主観的判断のあいまいさやシステムのおかれた環境の変化に対応した制約条件の右辺定数の変動を考慮することができる.それに加え, システム設計段階において, 一般に相反する目標であると考えられるシステム設計者の要求するシステムの信頼度と, システムの重量, 容積, コストなどに関する制約のトレードオフ関係を同時に考慮できるとともに, それらのあいまいさを考慮できるため, システム設計者にとってより柔軟で満足度の高いシステム設計を行うことができる.さらに, このシステム信頼性の最適設計問題を, 遺伝的アルゴリズムを導入することによって非線形のまま扱うことができるため, 取り扱いが容易なうえ, コンピュータメモリの点でも有利であるとともに, 最良解を比較的簡単に得ることが可能となっている.
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© 1995 日本知能情報ファジィ学会
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