抄録
本論文では, 金型加工においてよく見られる, ツールを交換しながら多品種の部品を製作する1台のマシニングセンタ(加工機械)に対して, 1カ月の加工計画が与えられたときのスケジューリング問題に焦点をあて, 目的関数の設定において, 納期に対する意思決定者の判断を表すパラメータを導入した全商品に対する目的関数を導入した定数化を試みる.しかし, スケジューリング問題に対して有効であると報告されている遺伝的アルゴリズムを, 本論文で考察するスケジューリング問題に単純に適用しても, 遺伝オペレータの操作時に多くの致死遺伝子, すなわち, 制約を満たさないスケジュールを生成してしまい, 高いパフォーマンスを得ることはできないので, 在来的な手法である0-1のビット列を個体にもつ単純遺伝的アルゴリズムに修正を施し, 問題の構造に適した遺伝的アルゴリズムを提案し, 数多くのシミュレーションによってその有効性を示す.