日本ファジィ学会誌
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意思の助動詞を用いた知識表現による意思決定方法
古谷 雅年古村 文伸
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1996 年 8 巻 1 号 p. 73-78

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抄録
ファジィ推論などにおける意思決定のための従来の命題の記述は, 「もしAという状況ならば, そのときBという行動をせよ」のように, 後件部が命令的, あるいは, 断定的な表現形式を用いるのが一般的であるが, 人間が行う実際の意思決定の思考過程においては, 状況に応じて, 「Bという行動をしてもよい」とか, 「Bという行動をしなければならない」などのように, 意思の助動詞を用いた表現から意思決定を行っていることがしばしばである。本稿では, 意思決定のための命題を意思の助動詞を用いた知識表現によって記述し, 意思の強い命題の重みが大きい時に, 優先的にその命題が反映される意思決定アルゴリズムを提案した。本方法によれば, 命題設計者にとって意思決定系全体の見通しが良くなると考えられる。さらに, 本手法を宇宙機のランデヴドキングの自律操縦における意思決定に適用し, センサデータの信頼性が変化する場合について, 意思決定の過程と結果について検証した。
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© 1996 日本知能情報ファジィ学会
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