抄録
ファジィ推論に用いるファジィプロダクションルールのチューニングは、従来専門家がメンバーシップ関数の形状を変更する事によって行われてきた。そのため、メンバーシップ関数のチューニングを自動的に行なう研究が盛である。しかし、メンバーシップ関数の自動チューニングを行なうと、専門家による再チューニングが非常に困難になってしまう。ファジィプロダクションルールの条件部全体のマッチ度は、各条件のマッチ度を結合演算子によって結合することで得られるが、大部分のシステムは結合演算子としてmin、maxといった特定の関数を利用している。結合演算子として異なる種類のTノルム、Tコノルムを利用すると、ファジィコントローラの制御性が変化することが報告されているが、従来の研究では制御性のチューニングに関しては言及されていない。この論文では、ファジィプロダクションルールのチューニングを行なうのに、メンバシップ関数でなく、結合演算子を用いる手法を提案する。結合演算子としてパラメータによって性質が変化するTノルム、Tコノルムを採用することで、結合演算子の自動チューニングが可能であることを示した。シミュレーションでは、典型的なTノルム、Tコノルムの間にある最適な関数を得ることができた。また、コンビネーション関数としてTコノルムから平均演算子の領域をカバーする関数が有効であることが分かった。