抄録
本研究では, 従来のスケジューリング問題の多くがファジィ納期を用いたスケジューリング問題の枠組みで再定式化できることを示す.各ジョブに割り当てられたファジィ納期のメンバーシップ関数は, そのジョブの加工終了時間に対する意思決定者の満足度を表している.したがって, ファジィ納期は, 直接的には, 従来のスケジューリング問題における納期ずれに対するペナルティと関連している.また, ファジィ納期は, 総処理時間や総滞留時間などのスケジューリング評価基準を表現するために用いることもできる.本研究では, まず, 多くのスケジューリング評価基準がファジィ納期の概念を用いて再定式化できることを示す.次に, 複数の目的を同時に考慮した多目的スケジューリング問題がファジィ納期を用いて定式化できることを示す.数値実験により, 従来のスケジューリング問題とファジィスケジューリング問題の類似点と相違点を明らかにする.