日本消化管学会雑誌
Online ISSN : 2435-8967
Print ISSN : 2433-3840
症例報告
肝切除術後の鎮痛薬による高齢者のNSAIDs起因性盲腸潰瘍の1例
清水 崇行石塚 満蜂谷 裕之櫻岡 佑樹松本 尊嗣礒 幸博髙木 和俊石田 和之窪田 敬一
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キーワード: NSAIDs, 盲腸潰瘍, 鎮痛薬
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2022 年 6 巻 1 号 p. 50-54

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抄録

77歳男性,肝細胞癌術後15日目に血便を認めた.大腸内視鏡検査を施行し,盲腸に出血をともなう潰瘍を認めた.潰瘍部の生検では,局所の陰窩膿瘍と他の陰窩に少数アポトーシス小体を認めた.便培養も含め,疾患特異的な所見は得られず,臨床経過から術後鎮痛薬使用によるNSAIDs起因性盲腸潰瘍を疑い,鎮痛薬を中止した結果,血便は自然軽快した.高齢者における周術期管理においては,とりわけNSAIDsの使用を避けるべきであると考えられた.

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© 2022 一般社団法人日本消化管学会
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