獨協医科大学第二外科
獨協医科大学病理診断学
2022 年 6 巻 1 号 p. 50-54
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77歳男性,肝細胞癌術後15日目に血便を認めた.大腸内視鏡検査を施行し,盲腸に出血をともなう潰瘍を認めた.潰瘍部の生検では,局所の陰窩膿瘍と他の陰窩に少数アポトーシス小体を認めた.便培養も含め,疾患特異的な所見は得られず,臨床経過から術後鎮痛薬使用によるNSAIDs起因性盲腸潰瘍を疑い,鎮痛薬を中止した結果,血便は自然軽快した.高齢者における周術期管理においては,とりわけNSAIDsの使用を避けるべきであると考えられた.
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