2024 年 8 巻 1 号 p. 31-44
慢性便秘症に対し刺激性下剤が慢性的に使用されているケースは多く,長期連用にともなう問題点を指摘されているものの,その対策については一定の見解はない.今回,刺激性下剤依存・抵抗性便秘症となった30名を対象に,当院が独自で考案した1週間入院プログラムを行った.大腸の形態変化を93%,腹部症状を80%以上に認め,ジッツマークⓇで評価した通過時間遅延型と,排便造影検査などで評価した排便困難型の合併例が80%を占めた.これらの内服薬だけでは対応困難と考えられる機能性便排出障害に対し,バイオフィードバック療法などを実施した.80%以上の患者が刺激性下剤を脱却でき,有用な治療法と考えられたため,その詳細につき報告する.