人間‐生活環境系シンポジウム報告集
Online ISSN : 2434-8007
第43回人間-生活環境系シンポジウム報告集
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寒冷環境における体温調節応答と質問紙による主観的寒冷耐性の関係
*若林 斉江原 佑松本 健太郎小堀 祐資前田 享史松下 真美亀谷 俊満斉藤 昌之
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p. 165-166

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抄録
本研究では質問紙を用いた主観的寒冷耐性と,寒冷環境における体温調節応答や形態的特性,生活習慣と の関係を調査することを目的とした.健康な青年男性 20 名を対象として 3 つの実験を行った.(1)質問紙調査. (2)急性寒冷曝露実験.(3)FDG-PET/CT を用いた褐色脂肪(BAT)活性評価.質問紙を用いたクラスター分析 の結果,被験者は主観的寒冷耐性の高い High 群,低い Low 群の 2 群に分類された.骨格筋量において,High 群 が Low 群に比べ有意に高値を示した(p<0.05).しかし,BAT 活性の 2 群間における差は認められなかった.High 群は安静時の産熱量が高く,寒冷曝露時の深部体温が高く保たれる傾向が見られた.High 群が高い骨格筋量を有 することが原因だと考えられる.Low 群においては質問紙において行動性体温調節を行う頻度が高く,寒冷曝露 時の皮膚温,深部体温が下がりやすい傾向が見られた.体温の低下を抑えるために積極的に行動性体温調節を行 うことが考えられる.
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© 2019 人間‐生活環境系学会
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