本研究では、夏期冷房時における空調設備からの気流や発生音の違いが執務者の作業効率に与える影響を調査するために、空気式放射空調と対流空調が設置されている実験室を用いて 7 名の被験者‹20~24 才の男性›による実験を行った。本実験では空調設備及び運転状態を変化させ、気流・発生音の異なる 6 条件を設定し、心理申告と計算・レシート分類の模擬作業を実施した。空調設備からの気流及び発生音の違いは被験者に認識されていたが、気流・音の快適感に対する影響は小さかった。空気式放射空調では対流空調と比較して作業効率が有意に高い傾向がみられた。対流空調におけるスイング運転の有無による作業効率への影響は風量弱運転時ではみられず、風量強運転時でレシート分類の正答率においてのみスイング運転時に有意に高くなった。