人間‐生活環境系シンポジウム報告集
Online ISSN : 2434-8007
第45回人間-生活環境系シンポジウム報告集
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被験者実験による日傘使用が人体の生理応答に与える影響の評価
*永井 賢人吉田 篤正木下 進一
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p. 73-76

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抄録

暑熱対策の一つとして日傘が注目されている.本研究では日傘の日射遮蔽が温熱環境と人体へ及ぼす影響の評価を行った.夏季晴天日に屋外での被験者実験を行った.実験では環境の測定項目として気温,湿度,風速,ふく射量,床・日傘・黒球温度の測定を行い,生理量の測定項目として皮膚温度7点,深部温度,代謝量,血流量,体重変化および温冷感,快適感,疲労感の心理申告を行った.実験結果から立位時(低代謝量)には日向と日傘下では発汗量,深部温度・平均皮膚温度上昇,温冷感に大きな差が見られ,日傘の効果が確認できた.歩行時(高代謝量)には発汗量には差が見られた.重回帰分析を行い,環境要素(気温,相対湿度,風速,日傘の有無)・代謝量の影響を解析した.発汗量には風速以外の項目の影響が確認でき,特に代謝量,日傘の有無が影響した.深部温度変化は代謝量のみの影響が確認できたが,その他の項目についての影響は確認できなかった.

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© 2021 人間‐生活環境系学会
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