人間‐生活環境系シンポジウム報告集
Online ISSN : 2434-8007
第45回人間-生活環境系シンポジウム報告集
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皮膚膨潤収縮モデルによる角層含水率分布の季節変動の解析
*硯 愛画高田 暁
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p. 81-84

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抄録

長期的な角層含水率の変化を解析できる生体皮膚モデルの確立を目的として、皮膚含水率分布の測定値を季節差に着目して分析し、皮膚膨潤収縮モデルによる皮膚含水率分布の解析結果と比較した。まず、実測値から角層-顆粒層境界位置を推定したところ、冬期と比較して夏期に角層が冬期の値の21%程度厚く、角層-顆粒層境界の含水率が冬期の値の8%程度高い傾向が実験全体について示された。また、実験全体を通して、角層表面から2m以内の領域で、夏期には冬期と比較して含水率が高く、含水率勾配が小さかった。次に、基本条件、夏期の発汗を考慮する条件、皮脂の透湿抵抗を考慮する条件、冬期での角層-顆粒層境界の含水率低下を考慮する条件で解析を行い、実測結果と比較した。角層-顆粒層境界の含水率の季節差を考慮することにより、実験全体を通して夏期の角層厚みが冬期を9~20%程度上回り、実測値における角層厚みの季節差と変化の向きが一致した。

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© 2021 人間‐生活環境系学会
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