1936 年 42 巻 8 号 p. 1063-1070
最近余等ハ異物ヲ誤嚥セシヤ否ヤヲ確認セルモノナク. 或ハ異物ヲ嚥下ヤシニ非ズヤトノ疑問ヲ懷キテ診斷ヲ求メ來タレル幼兒ノ然モ「レ」線透視竝ニ「レ」線寫眞ニ依リ當然陰影ヲ認メ得ベシト考ヘシモ. 之ヲ認メ得ザリシ食道異物ニシテ. 危ク之ヲ見逃サントセシ興味アル1例ニ遭遇シ. 之ニ暗示ヲ得テ抽出異物ノ組成ヲ研索シ。食道異物ヲ惹起シ易キ各種物質ノ硬軟兩球ニヨル「レントゲン」寫眞ノ陰影度ヲ檢シ. 更ニ「レ」線透視及ビ「レ」線寫眞ニ依リ陰影ヲ認メ得ザル異物ノ診斷ニ對スル私見ヲ述ベタリ。