耳鼻咽喉科臨床
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レバミゾールによる頭頸部癌の免疫療法
井上 憲文
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1980 年 73 巻 4 号 p. 751-764

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抄録
1. 頭頸部癌患者に対して3種の免疫皮膚反応 (DNCB, PPD, PHA) を検査し, 1種以上陰性の49例に免疫賦活剤レバミゾールを投与した.
2. レバミゾール投与例の皮膚反応は, 鼻副鼻腔良性疾患患者に比べて. DNCBおよび64才以下のPPDでは亢進率が低かったが, PHAおよび65才以上のPPDでは有意差がなかった.
3. レバミゾール投与例の臨床経過は良好なものがかなり多く, とくに65才以上の患者で著明であった.
4. レバミゾール投与により, 皮膚反応の亢進する患者では, 再三処置必要率が低く, とくにPHAがこの点てレバミゾールの効果を敏感に反映していた.
5. レバミゾールを用いた免疫療法は, 頭頸部癌の集学治療におけるソフトウェアに相当するが, 今後免疫パラメーターの選択, 投与時期, 投与量の検討が必要である.
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