1981 年 74 巻 10special 号 p. 2321-2328
嗄声を有する各種喉頭疾患について, 持続発声時の平均呼気流率 (DC) とAC/DC% (声の能率, 一色) の2のパラメーターを測定し, 疾患別に比較検討した.
声帯麻痺例ではDCとAC/DC%の間には逆の相関があるが, 喉頭炎や sulcus vocalis ではAC/DC%が低くてもDCは正常範囲にとどまる. 前者は声門閉鎖不全が後者は声帯の物性の変化が嗄声の主因と考えられるが, この違いが2つのパラメーターの上に反映されたものと考えられる.