1981 年 74 巻 3 号 p. 349-356
本邦21例目と思われる, 37才女性の Relapsing Polychondritis の一症例を報告すると共に, 文献的考察を行なった.
本疾患は耳鼻咽喉科領域の初発症状が多いことより, 本疾患が念頭にあれば, 耳鼻咽喉科医による初期診断は比較的簡単であると思われる. 眼症状, 心血管症状を呈する場合もあるので, 他科との協力を密にする必要性がある. 病因として自己免疫疾患説が有力であるが, 自己抗体も未だ証明されておらず, 決定的ではない. 治療は副腎皮質ステロイド, 免疫抑制剤等が非常に有効である. 予後は喉頭, 気管等の障害による呼吸器症状に左右されることが多い.