1983 年 76 巻 2 号 p. 159-165
(1) 昭和40年~昭和50年の間に当教室での慢性中耳炎手術耳数は減少傾向にあり, そのうちの真珠腫性中耳炎の比率は増加傾向にある.
(2) 真珠腫性中耳炎手術の術型式では初回手術, 再あるいは再々手術以上の手術どちらでもW. -III型が最も多かった.
(3) 2回以上手術を受けている耳症例の初回手術時の年令では未成年者が圧倒的に多かった.
(4) 再手術は初回手術より1年以内に受ける症例が最も多く過半数は3年以内に受けていた.
(5) アンケート回答耳のうち主眼となる耳漏の消失を認めたものは58.5%であった.
(6) 今後, 若年者真珠腫性中耳炎の手術法反省が必要であり, 段階手術, 外耳道後壁非保存型手術及び中耳根本術の見直しが課題であると考えた.