耳鼻咽喉科臨床
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急性・慢性扁桃炎に関する Bacampicillin の基礎的・臨床的検討
杉田 邦洋越智 雅社武田 一雄
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1984 年 77 巻 1 号 p. 163-169

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抄録

1. BAPC投与後の扁桃摘出例20例において, 扁桃内ABPC濃度を測定し, 効果的に組織移行が行われることを認めた. また, その濃度の peak は, 投与後2~3時間であった.
2. 急性扁桃炎症例9例にBAPCの投与を行い, 著効2例, 有効6例, 無効1例で, 88.8%の有効率を認めた.
3. 扁桃炎症例から得られた分離菌の, ABPCに対する感受性の検討を行い,β-Streptococcus, S. pyogenes, S. faecalis, H. influenzae など本剤に高い感受性を示す菌種の多いことを認めた.
以上により, 耳鼻咽喉科領域の感染症に対して, BAPCが有用であることを裏づけた.

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© 耳鼻咽喉科臨学会
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