耳鼻咽喉科臨床
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耳鼻咽喉科領域小児急性感染症に対するペングローブ細粒の使用経験
湊川 徹芦名 真也岸本 勝藤木 宏也雲井 健雄
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1985 年 78 巻 1 号 p. 155-162

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抄録

耳鼻咽喉科領域にみられる幼小児の急性細菌性感染症に対して, 味の改良されたペングローブ細粒を使用し, 以下の結果を得た.
1) 臨床効果は23例中, 著効10例, 有効12例, やや有効0例, 無効1例で, 著効, 有効を合わせた有効率は95.7% (22/23) であった.
2) 自他覚症状の改善率は, 88%であった. また, 有熱症例 (37.5℃以上) は, 6例に認められ, 解熱までの日数は1~2日と短く, 速効的であった.
3) 副作用は, 1例も認められなかった.
4) 服薬状況調査において, 回収率は52.5% (12/23) であり, そのうちの内服率は100%であった.
5) 本剤の下部消化器系の副作用を未然に防ぐ意味からも, また, ときとしてみられる服薬拒否をなくす意味からも, 各種の整腸剤の細粒剤や顆粒剤などの粉末製剤と併することは, 意義があるものと考えられる.

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