耳鼻咽喉科臨床
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無顆粒球症を示した前庭神経炎症例
沖中 芳彦関谷 透松尾 隆晶平田 哲康木戸 利成今手 祐二植木 篤雄米田 敬緒方 正彦
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1985 年 78 巻 11 号 p. 2323-2335

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抄録
無顆粒球症の回復過程に発症した, 34歳男性の前庭神経炎症例を報告した. 本症例の無顆粒球症の原因は, 薬剤によるものあるいは重篤な感染症と思われた. めまい発症当日, 一側の温度眼振反応の高度低下を認めたが, 3日後には回復がみられた. 健側に向かう自発眼振も2週間でほぼ消失し, 自覚的にもめまい感は10日で消失した. このように極めて短期間の経過をとったため, 発症当日の平衡機能検査が大変有用であり, 早期検査が必要であることを強調した.
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