燃料協会誌
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炭化水素の低温酸化に及ぼす微結晶の作用の分光学的研究(II)
宮西 通可
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1955 年 34 巻 11 号 p. 638-645

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抄録
第1報で正ヘプタンの酸化における燃焼壁の影響について報告した。この影響というのは, 燃焼壁の表面の六方形をなす微結晶の触媒作用である。この作用によつて, この酸化の機構および四エチル鉛のアンチノック作用が説明できる。
このような触媒作用の研究で, 第1報に記載されなかつた分が, この報告に述べられている。ガソリンの酸化に対する影響も研究された。それによると壁の金属, その酸化物および硫化物が, 立方或は直方の微結晶を作るとき (六方を作らない) はこの影響はない。このような性質を竜つた数種の金属がみつかつたが, その中鉛は最もよよい例である。この鉛で燃焼器を被覆し, 無鉛ガソリンを使用するとき, そのノッキングを加鉛ガソリンの程度まで減ずることができた。
この微結晶の触媒作用によつて硲子の表面或はその他のものの試験ができる。色々の試験の結果, 硝子の表面にはSiO2の単一セル程度の大いさの微結晶が現われているように思われた。
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