燃料協会誌
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開会の辞(石炭化学工業の必要性)
昭和30年10月13日第23回大会講演
黒川 眞武
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1955 年 34 巻 12 号 p. 666-669

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抄録

石炭鉱業合理化5力年計画を途行するには約1, 000万tに近い石炭の有効需要を拡大しなければならず, このためには石炭化学工業を振興せねばならない。わが国では古くから石炭の乾溜を一般に石炭化学工業として考えていたが, タールの牧量, コークスの需要からみてこれらのみにることはできない。ここに新しい観点からする新石炭化学工業の必要性が出てくる。
現在新石炭化学工業の技術として考えられるものは,(1) 石淡のガス化,(2) 石炭を直接原料とする化学工業すなわち水添, 炭素化, 溶剤処理, 流動乾溜などである。
これらの技術を発展させるには現在の石炭鉱業はもつと電気, ガス事業, さらに化学工業と積極的に提携し, 併せて石油化学の技術を取り入れることが必要である。またこれと同時にその一環として炭鉱自ら低品位炭, 沈粉などの未利用資源を有効に活用する化学工業の新分野を開拓することが必要である。

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