燃料協会誌
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家庭用固形燃料と煉炭工業
辻元 謙之助
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1925 年 4 巻 12 号 p. 1135-1149

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抄録

薪炭な家庭並に小規模の營業用燃料として今後も引續き使用すろは特殊の場合を除くの外我國情は之な許さぬ石油、瓦斯又は電熱の類は便利にして且つ経濟的に安價なりとするも我家庭に普及せしむうには到底其の供給力が件はぬ從て固形燃料の使用は我國の現状に必要的である我國は歐米に比し優良なる家庭用天然固形燃料に乏しきの故な以て有煙質歴青炭類の使用が漸次其の量な堰すとともに輸入によう無煙炭の使用も参からんとして居る一概に家庭燃料と云ふも臺所用には稍や短時間に高熱を應用する場合多く長時間に亘り低温を發揮ぜしむる煖房用の熱とは其の熱源を異にすろ事が利益が多い粉状無煙炭秘主原料とする煉炭は本邦獨特の製法にようもの多く適當なる燃焼用器具によりて厨爐にも煖房にも適ぜしむる事が出來又養蠶用乾燥用の如き營業にも使用せられ漸次木炭代用品となり從て煉炭の製法にも幾多の種類が出現して來れ事務所、學校、商店等に於て瀝青炭な不用意に煖房用とし☆る弊害は漸次認められ識者間には塊状無煙炭並に骸炭類な用ふるもの漸く増加し輸入品なるが故比較的に高債なる一噸六〇圓位の無煙炭も之に相當するストーヴを用ふれば式〇圓の有煙炭か在來のストーヴに使用するより却て有利なる事が知らるゝ様になつた結果、要債なる粉状無煙炭な原料とする煉炭又はだ有煙質瀝青粉炭に加工して無煙質としたリグノ煉炭が煖房並に厨爐方面に鷹用の途か拓れたと共に下向通風燃嶢法應用の特殊ストーヴを用ふれば塊状瀝青炭も無煙燃焼の煖房用たうに適する事が剣つれ要するに燃料には餘り恵まれざる我國も其の自然の歸趨として國情に適すべき各種の加工方法が案田ぜちれ穴るは大に楡侠とする所である

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