抄録
約120の日本産高揮発炭の包蔵水分を測定した。包蔵水分は1.2~45%に, 含水無, 灰べースの発熱量は8,630~3,300kcal/kgに分布する。測定結果をECEのタイプによる国際hardcoal分類, ASTMのrankによる石炭分類およびCEAC石炭分類修正案によつて分類し適否を検討した。低水分の石炭に対しては各分類法ともにおおむねよく適合し, 高水分の石炭には含水無灰ペースの方が炭質のoverlapが少ないのでややすぐれている。またASTM分類IV級のlignitic coalは亜炭と一致し, ECE分類上のlignites/browncoalsは亜炭のほかに常磐炭の一部および天北炭を含むことを示した。特性値間の関係およびその石炭化度との関係の考察は次報において行なう。