燃料協会誌
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石油問題と石炭問題
水谷 光太郎
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1929 年 8 巻 6 号 p. 694-701

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抄録
輓近本邦に於ける石油需要額は年と共に著しく増進しつゝあるが、國産石油は僅に其一部を充すに過ぎずして大部分は輸入に仰いで居る、然るに近年に於ける航空機、自動車、ディーセル船等の發達は彌が上にも石油の需要を増加し近き將來本邦石油の總需要額は數百萬噸に達すべき状勢である、斯くて石油問題は獨り國防上の問題ではなく經濟上最も重大なる性質を有するに至つた、從つて之が對策として内地油田の開發を計り一面海外に資源を求むることを急務とするが更に石油代用品を生産する方法を講ずることが必要となつて來たのである、然るに近年石炭の利用法は著しき進歩を遂げつゝありて石油代用品も亦石炭を唯一の資源とするものであることを明かにした
演者は以上の事情を詳説し一國の産業と重大なる關係を有する石炭の供給問題は自ら別箇の重要性を帯ぶると同時に石油供給問題とも密接なる關係を有するに至るべきを説き石油問題の解決上石炭問題の如何に重要なるかを明かにせんとするものである
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