抄録
粘結性ある石炭必ずしも堅き骸炭な生ずるものに非ず, 石山灰の加熟に際し如何なる温度に於て鐵熔鑛櫨に使用し得らるゝ如き堅實なる骸炭を生ずるものなるや即ち骸炭焼成温度の決定、焼成温度と其時間との關係、種々の温度に於ける瓦斯及びタールの溜出量, 骸炭化の行程中に起る熱化學的の反應並びに骸炭爐内と類似の状態の下に於ける石炭の熱傳導率等使用石炭の熱的諸性質を知るに非らざれば骸炭用としての適否な決定する事能はざろは勿論延いては骸炭爐の効率の増加をも期待し得ざるや言を俟れず、故に本研究に於ては上記未知の各項な明かにし鐵熔鑛爐用骸炭製造上の某礎を確定ぜんとするの目的を以て本邦に於ける代表的骸炭用炭四種、支那産石炭一種及び我製鐵所熔鑛爐用骸炭原料配合炭一種合計六種葎選定し實驗を行ひ次の結果を得たり