照明学会雑誌
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照明電熱術語集に就て
關 重廣
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1928 年 12 巻 2 号 p. 144-145

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抄録

之は今囘新らしく「照明電熱術語集」が完成された事に就き, 委員の勢に感謝の意を表すると共に, 更に必要な数語の追補を希望したものである。今同照明電熱に關する術語集が完成せられ, 會員一同に恵與された事は吾國照明並に電熱界にとつて大いに感謝すべき事柄であると思ふ。想ふに数多き委員會中本委員會の仕事の如く, 勢多くして而も結果の目立たぬものはあるまい。聞く所によれば近時委員長山川先生の御健康あまりすぐれさせられぬにもかいはらす, 本委員會は毎會夜おそくまで討論をつくされたと云ふ事である。山川先生並に委員の方々に封し満腔の感謝の意を表する所以である。撤と共にここに委員諸兄に御願ひしたい事があるのである。それは本術語線不足の語を近き將來に於て補足していただきたい事である。實は昨年より電氣學會に於て「電氣工學ポケットブック」を編集中で, 猪狩, 尾本, 山内の三君並に小生が照明の部を受持つて居るのであるが, こいに本術語集が出來たので早速本術語集を用ふる事にした。所がその際本術語集中にない言葉が多少出て來て一寸困つたのである。もとより萬人の見て以て異存のない言葉即ちLampを電燈或は電球と課し, Lightを光と云ふが如きは, たとへ術語集になくとも間違はないが, 小生たちの困つたのはどう課してよいか不明で大いに議論の餘地のあるものが, 本集できめていただけなかつたので困つたのである。而も之が珍らしい言葉でなく通常使用する言葉であるだけに (電氣工學ポケットブックは照明の部僅か30餘頁で, 珍らしい事などかく飴地はない) 他の方々に於ても同様の感をもたるい折もあらうかと思ひ, 敢えてこいにその数例を示し, その困つた理由を記し, 以て御参考に供しやうと思ふ。本集の緒言にも「不足不備の點は他日機會を得て補正すべく」とあるにより何等かの御参考になれば幸である。「蝋を得て燭をのぞむ」は人間の常, 敢えて失禮をもかへり見ず, こいに申上げて, 他日の御増補をまつ所以である。

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