けい光放電灯による放送受信妨害雑音をけい光放電灯内部に発生する高周波振動と対応させて研究し, さらに実測結果からそれら振動の機構を考察した.
放送波帯における雑音の原因は, 再点弧振動と双子型振動が主なもので, 陽極振動の影響は少い.
再点弧振動は不規則な細かいパルスの集合であって, その雑音レベルは対称準尖頭値電圧で20W, 40Wに対しそれぞれ平均62db, 50db (いずれも1MC) であった.また端子間に0.OO5μFのコンデンサを接続することにより, 平均していずれの場合にも30dbの減少をみた.
双子型振動の波形は正弦波に近く, その周波数はランプ電流, および端子間コンデンサによって変化する. この振動は直流放電においても発生し, その周波数はランプ電流のほぼI/2乗に比例して変化する.
再点弧振動の原因は電流の方向が変るときの空間電荷のゆらぎによるものであり, 双子型振動は陰極前面の加速電界に対する放電空間の境界からの饋還によって発生するものである.