抄録
未曽有の大災害であった東日本大震災であるが,発災からの年数の経過とともに住民の防災意識の低下が懸念される。そこで本研究では,今後も発生が予想される海溝型巨大地震をはじめ自然災害に対してどのような対策を講じるべきかを把握することを目的として,東日本大震災を現地で経験したいわき市民819 名を対象にアンケート調査を実施した。「今後巨大地震が来ると思うか」という設問において,全体の74%にあたる609 名が「はい」の回答であった。しかしながら,その609 名中334 名が「普段防災に関して特に意識していることがない」とのことで,防災意識の低さが見受けられた。このような現状を打開する上でも,ICTを含めた防災教育は非常に重要である。