造園雑誌
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緩效性肥料“Urea Z”の芝に対する肥效について
小沢 知雄萩原 信弘
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1966 年 30 巻 2 号 p. 14-20

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抄録

緩効性肥料Urea Zの芝に対する肥効を硫安を対照として、ホルム窒素、尿素とともに昭和40年7月26日~同年11月13日の間、約3ケ月半の期間にわたつて次にしたがつて実験を行つた。
(A) 実験期間中に計画された施肥量をset時に基肥的に全量投与されたもの、 (11月13日堀上げ調査)
(B) 上記実験の中間堀上げのもの、 (9月18日堀上げ調査)
(C) 実験期間中 (A) の如く最初に計画全量を施肥せず2回に等分し、7月26日と9月18日に分与したもの、 (11月13日堀上げ調査)
以上の3項についてポツト実験 (1/2000aワグネル5連制) を行う。施肥量はポツト当N=1.6g、割合はN: P: K=4: 6: 3とした。供試材料には高麗芝を用い、同様な条件の匍匐茎を取り、先端の節より、4節目と5節目を用い1節づつとし、根は1本2.5cm、地上直立茎は草丈2.0cmに切断、葉は基部にて切断し、材料の均一をはかり、ポツト当2個体、1区5ポツト10個体として実験を行った結果は次の如くである。
(1) Aの場合: 風乾重、地上直立茎数、葉数、匍匐茎数根数等Urea Zは対照に比べて2~3倍乃至5倍 (匍匐茎数) もの生育を示し、その充実と増殖にすこぶる顕著なるものが認められた。
(2) Bの場合: 本実験においてもUrea Zは対照に比べ風乾重、地上直立茎数、葉数等は70~80%の増加を示し匍匐茎数においても45%増、その節数については50%増、最長の匍匐茎は65%の増加を示している。
(3) Cの場合: 本実験においてもUrea Zは風乾重、地上直立茎数、葉数、匍旬茎数わよびその節数、根数等、対照にくらべて3~4.7倍もの成績を示した。
尚芝の分析の結果も三要素の吸収はUrea Z区のものがすぐれ、上記各実験の内容的な裏付けを示す。

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