造園雑誌
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芝生用植物の耐塩性に関する研究 (第2報)
ベントグラス類・ブルーグラス類の耐塩性について
北村 文雄
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1968 年 32 巻 2 号 p. 20-24

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抄録

イ) 芝生用植物の耐塩性に関する研究の一環として、ベントグラス類 (ハイランド・ベントグラス、シーサイド・ベントグラス) 、ブルーグラス類 (ケンタッキー・ブルーグラス、アニュアル・ブルーグラス) の耐塩性について実験を行なつた。
ロ) 種々濃度の塩分を含む培養液を用い、砂耕法により供試植物を培養した。その生育状況を見ると、ベントグラス類はCl 1,000ppm区でかなりの生育障害が現われ、枯死株を生じ、5,000ppm区ではほぼ生育不可能となり、ブルーグラス類はCl1,000ppm区で生育障害が少し現われ、5,000~10,000ppm区で障害著しく、枯死株を生じ、他も生存困難となる。
ハ) 供試植物の乾物重・草丈・分岐茎数・葉数・根長・根数などは塩分増加とともに減少する。ブルーグラス類ではある塩分濃度の範囲内で分岐茎 (匍匐茎) 数が増加する。
ニ) 総合的に見て、耐塩性ではブルーグラス類がベントグラス類より優れているが、両者ともライグラス類・フェスク類に比較してかなり劣る。実験結果より見て、ケンタッキー・ブルーグラス、アニュアル・ブルーグラス、シーサイド・ベントグラス、ハイランド・ベントグラスの順であるが、前3者間にあまり差がなく、ハイランド・ベントグラスが著しく劣つている。

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