造園雑誌
Online ISSN : 2185-3053
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ISSN-L : 0387-7248
VISUAL LANDSCAPE PLANNING MODEL FOR REGIONAL DEVELOPMENT
Koichi KOBAYASHI
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1975 年 39 巻 1 号 p. 35-40

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抄録

地域計画や造園計画において重要な一要素であるべき “景観要素” は計画策定課程において現在のところ数量化モデルの不在と計画モデルの不在という要因の為比較的一般論的にしか用いられていない。もし量, 質的な “景観要素” が計画の一要素となるためには, それ自体を地域造園計画の計画課程の一要素として繰り込まなくてはならない。
本論における景観計画のモデルは次のような特質をもっている。
・簡単に定義できそして理解しやすい景観単位と景観判別の方法
・有効で信頼できうる景観尺度
・土地の許容力や適応度との密接な関係
本文の第1図のフローチャートは筆者の提案する景観要素に主点をおいた計画モデルである。
モデルは計画の目標設定にはーじまり, 次に計画の二大要素の判別に移る。二大要素は発展可能地域と保護地域であり, 発展地域の設定は社会経済専門家との共同による発展様式の吟味と景観の統一性と景観を考慮して行われる。又保護地域は自然保護目的と同時に地域的発展の骨組としても設定される。その中では公園 (広域, 地域) 計画が重要な位置を占める。
保護地域設定にあたっては様々な数量モデルが, 学術的, 歴史的, 保全的な要素については提出されているが景観そのものの数量モデルは乏しい。
本論における景観評価モデルは, 1) 景観単位の判別2) 景観単位地域の設定3) 景観尺度の設定とそれによる景観評価という段階によって行われる。
最終的な土地利用決定は土地の自然許容力と適応力に基づいた環境と景観影響評価の後行われる。

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© Japanese Institute of Landscape Architecture
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