1992 年 56 巻 5 号 p. 85-90
本研究では1970年代半ば以降の日・韓の都市公園に関わる主要政策の流れを比較研究した. その結果, 日本の方が全般的に韓国より先に整備され, その内容も多様化している. 韓国はグリーンベルト区域の設定により都市周辺の緑地を確保し, 公園緑地の連携化を図ったが, 既存市街地の過密化, 個人財産権の侵害等の問題があった. ソウルオリンピック (1988) の開催を契機として, 都市公園の増加と公共緑化推進などの成果があった. 日本は, 近郊地帯は土地利用制限が画一的であったが, その後, 市街地調整区域は都市の計画的な発展の誘導に寄与した. さらに, マスタープランの策定による都市公園の系統的確保にかかる長期的対策を整えた点は高く評価できる.