造園雑誌
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保護林制度における生物群集の保全の現状
安原 加津枝奥 敬一田中 伸彦
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1993 年 57 巻 5 号 p. 193-198

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抄録

生物群集の保全のための包括的な対策が求められているが, 保全状況の実態は十分に把握されていない。そこで, 保護林制度下の374箇所の植物群落保護林と特定動物生慰地保護林を対象にして, 生物群集の保全の現状と問題点を2つの側面から明らかにした。1つは, 法制度の枠組みの中で保護林がおかれた現状であり, 森林の機能区分や保護林の設定状況管理状況である。もう1つは, 植生パターンや立地状況などの, 保護林がおかれた生態学的な側面からの現状である。そして,(1) 保護対象や機能区分の特徴, レクリエーション利用との調整や希少種の保護管理の進展の状況,(2) 保護林を取り巻く植生の状況や保護林の孤立化, などが明らかになった。

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© 社団法人 日本造園学会
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