本研究は明治末期・大正中期・昭和期の平面図及び『明治廿八年度臨号明細書』の添附絵図面や明治29年頃・昭和15年の写真等を基に近代における二條城本丸庭園の地割・植栽の経年変化について考察した。明治29年当初から基本的な地割及び庭園景に変化はなかった。但し, 現在では築山に登る園路は保存状態に変化が生じてきた。現在の植栽形態は竣工当時と比べ, 樹木が覆い茂り変貌してしまったようにもみえるが, 昭和15年とはほぼ近いものであった。明治29年頃や昭和15年の多聞塀跡は現在のように常緑樹には覆われていない。