抄録
腸内嫌気性菌のコレステロール脱水素酵素活性を測定するための培地の検討を行った. EGbroth, EGLFbroth, M10broth, PYFGbrothおよびビタミン添加PYFGbrothの5種類の培地を用い, Clos. tridium coccoides VI-115のコレステロールから4-コレステン-3-オン生成を高速液体クロマトグラフィーで経時的に測定した. 結果はM10brothがコレステロール脱水素酵素活性の発現に最もよい成績を示した. 他の4種の培地は低い酵素活性であったが, なかでもビタミン添加PYFGbrothは比較的良好な成績であった. M10brothは腸内嫌気性菌のコレステロール脱水素酵素活性を調べるのに適当な培地と思われた.