1994 年 8 巻 1 号 p. 1-5
健康成人10名に対し3, 4, 5g/日のラフィノース・5水和物を投与し, 糞便内菌叢, 糞便中の有機 酸および腐敗物質に及ぼす影響を検討した.いずれの投与水準においても投与前に比べbifidobacteriaの菌 数は有意に増加したが, 糞便中の有機酸, 腐敗物質に顕著な変化は認められなかった.一方, 投与前の糞便 水分により被験者をグループ分けしてラフィノースの効果をみると, 糞便水分の少ない被験者 (72~76%) では, 投与前に比べてわずかな水分含量の増加, 分岐脂肪酸および腐敗物質濃度の低下が認められ, また, 糞便水分の多い被験者 (78~88%) ではコハク酸濃度の低下が認められた.