ビフィズス
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ヒトの糞便内フローラ, とくにBifidobacterium属の構成および糞便性状に及ぼすメリビオースの影響
名倉 泰三清水 洋介佐山 晃司辨野 義己
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1996 年 9 巻 2 号 p. 151-159

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抄録
健康成人6名に対し, 2, 4, 8g/日のメリビオースをそれぞれ1週間摂取させ, 糞便内フローラ, 糞便中の有機酸および腐敗物質に及ぼす影響を調べた.4gと8gのメリビオース摂取期間中, 糞便中のBifidobacteriumは有意に増加し (p<0.01), 摂取終了後減少した.またBifidobacteriumの表現種レベルの変動を検索したところ, 摂取前ではB.adolescentis group, B.longumが優勢で, 1名にB.breveが認められ, 8gのメリビオース摂取によりB.adolescentis groupが有意に増加したほか (p<0.01), B.longum, B.breveも増加する傾向であった.また8g摂取中にB.bifidumが高い菌数で1例検出され, メリビオース摂取により, 増加したものと推察された.さらに糞便性状は, メリビオース摂取により糞便の硬い被験者で柔らかく, 軟便気味の被験者で硬くなる傾向がみられ, 軟便で特に多かったコハク酸は著しく減少した.またp-クレゾール, インドールは水分の少ない硬い糞便に多い傾向で, メリビオース摂取により減少する傾向が認められた
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© 財団法人 日本ビフィズス菌センター
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