日本舶用機関学会誌
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海洋汚染防止に対処した新しい船尾管シール装置 (第2報)
林 典夫吉田 久志高安 稔岩月 誠
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1985 年 20 巻 1 号 p. 26-32

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抄録
船尾管シール装置において, 船外への漏油を防止するためには従来の発想を根本的に転換し, 船尾管内油圧を常時海水圧より低く設定する方式が有効である.この方式に対して海水より比重の高い潤滑油 (高比重油) を用いることにすれば, 万一船尾管後部シール装置に海水が浸入した場合, この海水を高比重油との比重差を利用して自動的に分離し, 船内へ回収することができる.
本報では, 高比重油を船尾管の潤滑システムに使用する際に必要な基本的特性として, 高比重油の潤滑性・抗乳化性・加水分解安定性及びシールリングとの適性について調査した.また, 船尾管シール装置内へ浸入した海水を分離・回収する作動試験を実施した.
その結果, 高比重油を用いた船尾管の潤滑システムが十分に実用可能であることを確認した.
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© 社団法人 日本舶用機関学会
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