日本舶用機関学会誌
Online ISSN : 1884-4758
Print ISSN : 0388-3051
ISSN-L : 0388-3051
粘性ねじり振動ダンパ作動油の実効粘度に関する実験的研究
岩本 昭一
著者情報
ジャーナル フリー

1973 年 8 巻 12 号 p. S29-S42

詳細
抄録

粘性ねじり振動ダンバの減衰係数, すなわち, 作動流体であるシリコン油の実効粘度を支配する因子について検討を行ない, つぎの結果を得た.
(i) シリコン油は入力振幅のあまり大きくない領域では, 線形粘弾性流体であって, 動的粘度は入力振動数の増加とともに低下し, 入力振幅に依存しない.
(ii) 動的せん断弾性係数の値自体は非常に小さいので, シリコン油を粘性ダンバ作動油として使用する場合には, 動的せん断弾性係数による弾性効果は, 無視できる.
(iii) 作動油のせん断変形量が非常に大きい場合には, 作動油の実効粘度を平均せん断変形速度の関数としてとらえ, 定常せん断変形速度と油温によるシリコン油の粘度変化率線図から推定する従来の方法は妥当である。
(iv) 作動油のせん断変形量が小さい場合には, 作動油を線形粘弾性流体として取扱い, 実効粘度は入力振動数の関数として, 入力振動数と油温による粘度変化率線図から推定するのが, 妥当である.

著者関連情報
© 社団法人 日本舶用機関学会
前の記事
feedback
Top