抄録
ディーゼル機関の耐久試験は一般にガス圧応力の無限回の繰り返しに耐える疲労耐久限を対象として, 一定負荷で長期間の運転を実施している.しかし, 熱焼室壁は機関の発停により熱応力の繰り返しも受けるので, ガス圧応力と熱応力とが重畳した応力波形についての耐久試験を考慮する必要がある.
そこで, ディーゼル機関燃焼室壁の強度に関する短時間耐久試験法を確立することを目標に, その基礎となる疲労寿命推定法を明らかにするために, 鋳鉄製ピストンとシリンダ・カバーについて実験機関による疲労試験を実施し, 材料試験片による重畳疲労試験結果との対応を検討した.