日本舶用機関学会誌
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カクテルシェーカー式ピストン冷却法の研究
南 正己緒方 一彦橋本 正孝
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1974 年 9 巻 6 号 p. S13-S19

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抄録
最近の高出力化した, 中小形ディーゼル機関に採用されているカクテルシェーカー式ピストン冷却法の熱伝達機構については, まだ, 十分研究されていない.
われわれは, 小形ディーゼル機関の機構を利用した実験装置を作製し, 最も基本的で単純な平面ピストンにおけるカクテルシェーカー式ピストン冷却法の熱伝達に関する研究を行なった.
実験は広い範囲のレイノルズ数を得るため, 冷却剤として350番ディーゼルエソジン油, スピンドル油, 水の3種類を使い, ピストン形状の影響をみるため, 直径と高さの異なる3種類のキャビティを使用して行なった.また, 内部の冷却剤の挙動を高速度カメラで撮影し観察した.
この実験の結果をまとめると, 平面ピストンのカクテルシェーカー式冷却法による熱伝達は無次元表示をした場合.冷却剤の種類やピストン形状の変化には無関係に一つの直線で表示でき, 平均熱伝達率αm
αm=7.5λ/DP0.33rR0.43e (kcal/m2h℃)
で表わすことができる.
また, 冷却剤の液面高さは, 極端に液が少ないか多い場合を除きほとんど影響しないこと, ならびに, 熱伝達率は中心部が一番高く, 次に外側がよく冷却されており, これは冷却剤の衝突の状態によることが, 高速度カメラの結果から明らかになった.
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