航海
Online ISSN : 2433-1198
ISSN-L : 0450-660X
関門港西口付近における船舶交通特性
神鳥 昭中田 裕
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1983 年 75 巻 p. 30-39

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抄録

関門港西口付近における船舶交通の観測・解析結果から,その交通特性を要約すると次のとおりである。(1)関門港西口付近の1日平均船舶交通量は約600隻で,このうち漁船が22%を占めている。(2)船舶交通の主要ルートと,その通航率は,(1)関門航路-六連島東水道(南北方向):45%,(2)関門航路-六連島西水道:34%,(3)関門航路-下関漁港:10%,(4)下関漁港-六連島北東方水域:11%である。(3)通航船の船型別構成比率は小型船(300GT未満):68%,中型船(300〜3000GT):26%,大型船(3000GT以上):6%である。また,六連島の東水道と西水道の各通航船の小・中型船混入率には大差がないが,大型船の入率では東水道が西水道の3倍程度高い。(4)昼間(06時〜18時)の船舶交通量は,1日交通量の約70%を占めている。また,ピーク時間交通量は,1時間平均交通量の2倍程度である。(5)六連島東水道の幹線ルート通航船の10分間当り交通量は,1隻の場合が最も多く船舶の通航密度はあまり高くない。(6)六連島東水道の幹線ルート通航船の航跡分布は,自主規制航路の西側限界線より六連島寄りに偏しており,その航跡分布幅は約800mである。(7)六連島東水道の幹線ルート通航船の平均対地速力は10.5ノット,標準偏差1.9ノットである。また,南航船の平均対地速力は北航船のそれに比べて約6%高い。(8)六連島東方水域における仮泊船の最多隻数は18隻,最少隻数は5隻,平均隻数は12隻程度である。(9)関門港西口付近における沿岸小型漁船の最多操業隻数は12隻,平均操業隻数は昼間3隻,夜間1隻程度である。また,漁船操業密度の高い海面は,六連島北方・馬島東方および彦島北方の各沿岸部である。

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© 1983 公益社団法人 日本航海学会
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