情報システム学会誌
Online ISSN : 1884-2135
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群集シミュレーションのためのパーソナリティと有限の処理能力を有す るエージェントモデルの構築
八嶋 敬暁飯島 正
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2017 年 13 巻 1 号 p. 1-24

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抄録
不特定多数の人で構成される群集行動は災害時にパニック,将棋倒しなど人的被害を引き起こすことがある.そこで,防災計画の検討や市民教育などのために群集シミュレーションが行われている.群集下における人の行動は心理的要素の影響を受けると考えられるが,条件数が膨大となるため,その相互の組合せに基づいて個々人の特性を反映させて行動に影響を与えるモデルの構築は難しい. この問題に対処するために,パーソナリティ因子に基づいて,認知の仕方/目標設定/行動選択を変え,不安といった要素によって合理的な行動に制限が発生するエージェント(意思決定主体)モデルを構築した.加えて,人の特性が行動決定するまでの認知過程に与える影響は,パーソナリティ診断テストと避難行動アンケートを実施し,その結果をパス解析することで推定した. さらに,地下街における避難誘導実験の再現シミュレーションと飲食店を想定した火災避難シミュレーションを行い,周囲への追従,出口への殺到といった群集行動を観察した.利用客のパーソナリティ分布を変えてシミュレートしたところ,構成要員により群集行動が変化する現象,たとえば協調性の高い人のみだと殺到が発生せずに避難所要時間が短縮されるといった現象を確認することができた.本研究は施設管理者,利用客が群集行動への理解を深め,施設配置の検討,防災意識の啓蒙などを行う群集事故の被害予測・対策立案システムへの応用を目指している.
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© 2017 一般社団法人 情報システム学会
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