関連と因果関係は異なる(Association is not causation)。これは有名な言葉であるが,「関連と因果関係が異なるときバイアスが生じている」と定義されている。そして,連載第3回で紹介した反事実モデルとdirected acyclic graph(DAG)はバイアスを理解し,整理する上で非常に役立つツールである。交絡バイアスはDAGの共通原因によって生じるもの,選択バイアスはDAGの共通結果を調整することによって生じるものとして整理し,情報バイアスは「系統的でない誤分類(non-differential misclassification)」を理解することが有用である。一方,結果の解釈にあたっては,バイアスが「真の値」から「推定値」を「どの方向」に「どの程度」ずらすようなバイアスか,つまり過大評価(away the null)するバイアスか,過小評価(toward the null)するバイアスかを2×2表を用いて検討をすることが重要である。