中部消費者教育論集
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プランド・アイデンティティと消費者
~リーバイス・ブランドを事例として~
中村 和彦
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2005 年 1 巻 p. 47-60

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抄録
本稿は、"BuildingStrongBrands"(1996)を著したプランド研究の第1人者であるAa.ker教授の理論フレーム(プランド・アイデンティティ)の中でも、顧客への価値提案(ValueProposition)とプランドと顧客との関係性を中心に焦点化し、テスト・ケースとしてジーンズ・プランドのLevi'sを対象とし展開したものである。その結果、ブランドLevi'sは、それぞれ時代ごとに、良好なプランドと顧客との関係性を構築してきたが、それらは金鉱プーム、世界大恐慌、第2次世界大戦、ウェスタンブーム、社会反発、学生運動、反戦運動、ヒッヒ°ー文化、等々に代表されるように、特に社会情勢や社会現象、ブーム、文化と密接に結びついているといえる。Aa.kerの定式化したプランドに対する理論の基本フレーム、すなわち顧客への価値提案でいう3つの便益(機能に基づく便益、感情に基づく便益、自己表現に基づ<便益)のうち、業界トップであるLevi'sにみられるブランドと顧客との関係性は、特に自己表現に基づく便益と深いつながりがある傾向が強いということである。そしてプランドと顧客との良好な関係性をいくつも構築してきたパワー・プランドには、時代は変わり新しい価値銀を顧客の方から自発的に生み出せる潜在能力があると考えられる。
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© 2005 日本消費者教育学会中部支部
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