中部消費者教育論集
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アーミッシュの健康情報と消費者教育
大藪 千穂杉原 利治
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2011 年 7 巻 p. 1-16

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抄録
本研究では,アーミッシュの情報瀕の一つである"FamilyLife"誌の「健康コーナー」の健康情報を分析し,健康に対するアーミッシュの現状や価値観,健康情報と消挫者教育,そして現代の消喪者教育にどのように生かせるか,その可能性について分析を行なった。分析方法は,1970年から2009年までの全体の傾向と,1970年から1980年までの10年間の健康情報を,記事を「質問」,「回答」,「解説」に分類し,それぞれを「病気の内容」,「療法の仕方」,「記事の内容」から分析した。その結果,アーミッシュは「栄蓑と新陳代謝の病気」,「皮陪の病気」,「骨•関節・筋肉の病気」の3つの領域に高い関心があることが分った。そしてそれらの問題に対しては,「民間療法」で解決したり,知識的情報を求めていることが明らかとなった。しかし,「血液・体液の病気」,「免疫の病気」,「目の病気」,「女性の健康問題」に対しては,「西洋医学療法」の方が効果的であると考えていることから,「民間療法」と「西洋医学療法」を使い分けていることが明らかとなった。アーミッシュは学校教育と"FamilyLife"のみから健康情報を獲得し情報を共有している。一方,現代社会において情報の取捨選択は消費者個人に委ねられている。今後は健康情報のコントロールシステムの整備と同時に消費者の情報処理能力を高める消毀者教育を目指す必要があろう。
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© 2011 日本消費者教育学会中部支部
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