2012 年 39 巻 2 号 p. 83-87
コロイド結晶の研究は,コロイド科学でよく知られているDLVO理論の発展と深く関わっている.コロイド粒子は,水中にて負に帯電しており荷電コロイドともよばれるが,DLVO理論によれば荷電コロイド間には斥力が働く必要がある.近年,コロイド粒子間に引力が作用すると考えざるを得ない実験結果が見出されるようになり,論文誌上にて相転移のメカニズムに関する議論が様々な観点から行われている.最近では著者らを中心に,日本の宇宙実験施設「きぼう」を用いた実証実験が進められている.