POアカデミージャーナル
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症例報告
足根管症候群を呈した1症例に対する足底挿板療法の効果
清水 新悟佐橋 政次花村 浩克
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2024 年 31 巻 4 号 p. 199-203

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抄録

歩行時に左内果周辺および左足背部の痛みが強く、歩行が困難な女性に対して、足底挿板療法と自主トレーニング指導により改善が得られた症例を経験したので報告する。症例は、半年前ぐらいから内果周辺に痛みが出現し、その後、歩行が困難となった60歳代の女性である。評価から長母趾屈筋が原因である可能性が高く、長母趾屈筋を保持するように踵骨を内反誘導し、距骨下関節を中間位にする足底挿板を装着した。また自宅で行える長母趾屈筋のストレッチ、足関節背屈可動域練習、足関節周辺筋力増強練習を指導した。結果、内果周辺の疼痛が改善し、片脚立位時間と10 m最大努力歩行時間が改善した。症例のモチベーションが向上し、快適な歩行が獲得できた。

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© 2024 公益社団法人 日本義肢装具士協会
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