日本造船学会論文集
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簡易渦モデルを用いた操縦運動中の主船体流体力の成分分離型数学モデル (その5)
旋回で生ずる船体中央部渦による補正
烏野 慶一岡野 誠司前川 和義三好 潤
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2001 年 2001 巻 190 号 p. 169-180

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抄録
純旋回のY力および横行旋回のY力の推定精度向上を目指して、モデルの補正を行った。この補正モデルを模型船5隻の旋回流体力の推定に適用した結果、十分な精度で斜航流体力から推定できることが分かり、冒頭で述べた推定精度向上の目標を達成した。特に前報と異なるところを以下に示す。
1.実験データに即した線形流力係数の相互関係を用いて、特にY'r~ (N'v+ (m'y-m'x)) の関係から粘性揚力モデルの補正を行った。
2.その補正は旋回に起因するもので、船体中央に馬蹄形粘性渦を置くことにより解決した。その結果、Y'rの推定値は実験値と良く一致するようになった。
3.また環状のクロスフロー伴流渦のうち、これまで無視していた旋回に起因する鉛直渦の効果を再考し、クロスフロー流体力モデルの補正を行った。
4.その補正は、船体鏡像である船体中央部に等分布するクロスフロー鉛直渦との干渉力を考えることにより解決した。その結果、その場旋回など旋回時のクロスフロー抗力の推定値は実験値とよく一致するようになった。
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