地図
Online ISSN : 2185-646X
Print ISSN : 0009-4897
ISSN-L : 0009-4897
明治初期の勇払基線と苫小牧の発展
わが国最初の系統的な基線測量と三角測量をめぐって
加藤 芳夫
著者情報
ジャーナル フリー

1978 年 16 巻 4 号 p. 11-16

詳細
抄録

本稿は, 第9回国際地図学会議 (53年7月, ワシントンD. Cメリーランド大学) のために, 国際地図情報センターから提出されたThe First Systematie Base-line and Triangulation Survey in Japan-Yufutsu Base-line Survey in Hokkaido in 1873-をもとに, この基線測量からすでに一世紀を経過した苫小牧の変遷を, 国土地理院の5万分の1地形図によって概観し, 特に戦後, 内陸堀込港湾の造成によって急速なテンポで変貌しているこの地域の様相を描いてみたい。
本号の添付地図は, 明治8年開拓使による「三角術測量北海道之図」及び「北海道三角術測量有仏基線之図」であり, 同国際会議に提出したものと同様のものである。国際地図情報センターから筆者への要請は, アメリカで開かれる国際会議であるだけに, 日米の国際親善及び国際交流のための橋渡しの一助となればという意図によるものであった。従って, この古地図の複製にあたっても, 古地図としての歴史的な意義を解明することを目的とするものではなく, より一般的に明治初期の開拓使時代における偉大な事業のひとつとして紹介したものである。

著者関連情報
© 日本国際地図学会
前の記事 次の記事
feedback
Top